本日はレーナード・スキナードの「セカンド・ヘルピング」(1974)から"スイート・ホーム・アラバマ"です。



「フォレスト・ガンプ 一期一会」や「8 Mile」などで聞き覚えがある人もいるのではないでしょうか。「8 Mile」ではこの曲に乗せてエミネムが即興でラップをするシーンがありますね。



このアルバムはバンドの2ndアルバムで、タイトルは"おかわり"という意味です。レーナード・スキナードは”サザン・ロック”というカントリーやブルースなどアメリカ南部の音楽に影響を受けたロックのジャンルで、他には”雨を見たかい”などのヒット曲を生み出した「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)」などがあります。フロリダ州ジャクソンビルで結成されたレーナード・スキナードにはアラバマ州出身のメンバーは一人もいないものの、アラバマ州のナンバープレートに”スイート・ホーム・アラバマ”の文言が使用されているなど、実際に州の公式な標語になっており、名実ともにアラバマ州を象徴する曲になっております。

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レーナード・スキナードは私が一番好きなバンドでもあり、ヴォーカルのロニー・ヴァン・ザントの南部訛りの哀愁漂う歌声とトリプル・ギターのうねるようなソロプレイが完璧に調和し、言葉では到底表現できない魂に響くような美しさを醸し出しています。


イントロのスライドギターとトリプル・ギターのソロで有名なもう一つの代表曲”フリー・バード”。印象的なギターソロは5分もある。

[Intro]
One, two, three
ワン、ツー、スリー
Turn it up
音量を上げてくれ

[Verse 1]
Big wheels keep on turnin'
大きなタイヤは回り続ける
Carry me home to see my kin
故郷へ、家族の元へと帰るまで
Singin' songs about the southland
南部の歌を口ずさんでいると
I miss Alabamy once again
またアラバマが恋しくなってきた
And I think it's a sin, yes
全く罪な話だぜ

[Verse 2]
Well I heard Mr Young sing about her (Southern man)
ヤングの奴が彼女について歌ってるのを聞いたよ
Well, I heard ol' Neil put her down
あいつ、あんなに彼女のことをこき下ろしやがって
Well, I hope Neil Young will remember
まあでも、ニール・ヤングには覚えておいて欲しいね
A Southern man don't need him around, anyhow
俺たち南部人はどのみちお前なんかいらねえんだよ

[Chorus]
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Where the skies are so blue
青い空が果てしなく続くところ
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Lord, I'm coming home to you
神様、あなたの元へ帰ります!

[Verse 3]
In Birmingham they love the governor (Boo! Boo! Boo!)
バーミンガムの奴らは州知事が大好きだ(ブー!ブー!ブー!)
Now we all did what we could do
俺たちはやれることは全部やった
Now Watergate does not bother me
ウォーターゲートのことなんてどうでもいい
Does your conscience bother you?
君の良心が許さないのか?
Tell the truth
本当のことを言ってくれよ

[Chorus]
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Where the skies are so blue
青い空が果てしなく続くところ
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Lord, I'm coming home to you
神様、あなたの元へ帰ります!
Here I come, Alabama
帰って来たぜ、アラバマ!

[Guitar solo]

[Bridge]
(Ah-ah-ah, Alabama
Ah-ah-ah, Alabama
Ah-ah-ah, Alabama
Ah-ah-ah, Alabama)

[Verse 4]
Now Muscle Shoals has got the Swampers
マッスル・ショールズには”スワンパーズ”って奴らがいる
And they've been known to pick a song or two (Yes, they do)
彼らが選ぶ曲はたちまち飛ぶように売れるようになるんだ
Lord, they get me off so much
どんなに困ってるときでも助けてくれる
They pick me up when I'm feeling blue
落ち込んでる時には励ましてくれるんだ
Now how 'bout you?
君はどうだい?

[Chorus]
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Where the skies are so blue
青い空が果てしなく続くところ
Sweet home Alabama
アラバマ、美しい故郷
Lord, I'm coming home to you
神様、あなたの元へ帰ります!
Sweet home Alabama (Oh, sweet home, baby)
アラバマ、美しい故郷
Where the skies are so blue (And the governor's true)
青い空が果てしなく続くところ
Sweet home Alabama (Lordy)
アラバマ、美しい故郷
Lord, I'm coming home to you (Yeah, yeah)
神様、あなたの元へ帰ります!

二番
ニール・ヤングはカナダ出身のフォークミュージシャンで、彼の”サザン・マン”や”アラバマ”といった南部を批判するような曲に対して、「同じ南部出身でも俺たちと人種差別を擁護するような奴らを一緒くたにするな!」と反論しています。

三番
ここで言う州知事とは、当時のアラバマ州知事であった公民権運動反対派で人種隔離支持者のジョージ・ウォレスのことで、彼に反対するために”やれることはやった”ということです。ウォーターゲート事件についての話も出てきますが、ウォーターゲート事件とは、共和党のニクソン時代で起こった、政敵の民主党に対する盗聴作戦とその発覚、そして政府による隠蔽工作などの総称で、この事件の責任を取る形で、ニクソン大統領は辞任に追い込まれました。要するに、ここで彼らが言いたいのは、「俺たちがジョージ・ウォレスを当選させたことを責めるのはいいけど、お前らもニクソンを当選させたじゃないか!」ということです。

四番
”スワンパーズ”とはアラバマ州にあるマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオのオーナーのことです。ローリング・ストーンズやロッド・スチュワート、ボブ・ディランなどもここでレコーディングを行ったそうです。

歌詞から見て取れるように、ただの故郷を想う歌ではなく、南部に対して人種差別などの負のイメージを抱いている人へのメッセージとも取れますね。当たり前ですが、南部の人でもみんながみんなそういった差別意識を持っているわけではありませんからね。ライブの際のバックドロップやバンドのロゴに至るまで、”南部の伝統と南北戦争で戦死した南軍兵に敬意を示すため”に事あるごとに南部連合の旗”レベル・フラッグ”を用いてきたレーナード・スキナードですが、白人至上主義者などによっても盛んに用いられているということもあり、今では使用を取りやめているそうです。

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レーナード・スキナードは人気の絶頂期であった1977年10月20日、公演する予定だったルイジアナ州バトン・ルージュに向かう際に飛行機が墜落事故を起こし、リードボーカルのロニー・ヴァン・ザントとギターのスティーブ・ゲインズほか4名の死者を出しました。それによりバンドは1987年まで活動を休止し、現在はロニーの弟であるジョニー・ヴァン・ザントが再結成したバンドを率いており、当初のメンバーは今年3月に逝去したギターのゲイリー・ロッシントンを最後に全員逝去したことになりましたが、引き続きバンドは活動を継続するということなので、今後のさらなる活躍に期待したいところです。

参考文献