今回はCCRことクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのウィリー・アンド・ザ・プアボーイズ(1969)から”Fortunate Son”です。「幸運な息子」というタイトルのとおり、ベトナム戦争時代に社会的地位や裕福さによって兵役を逃れることができた”幸運な”人々やそういった人々に対して感じる不公平さをそうすることが出来ず不本意ながら戦地へ送り出される”不運”な人の視点から描いています。「なぜ金持ちが始めた戦争を、貧しい俺たちが戦わないといけないんだ!」というような典型的な反戦歌ですが、そのいつの時代にも当てはまるようなシンプルでありながら力強いメッセージは、全米チャート3位を記録した当時のみならず、50年以上経った今なお多くの人々に愛され、ベトナム戦争時代を象徴する曲として映画(フォレスト・ガンプ/一期一会)やテレビゲームなどでも使用されております。
[Verse 1]
Some folks are born made to wave the flag
旗を振るために生まれてきたような奴もいる
旗を振るために生まれてきたような奴もいる
Ooh, they're red, white and blue
あの赤、白、青の旗をね
あの赤、白、青の旗をね
And when the band plays "Hail to the Chief"
そして楽隊が「大統領万歳」を演奏するとき
そして楽隊が「大統領万歳」を演奏するとき
Ooh, they point the cannon at you, Lord
そんな奴らが君に”砲口”を向けるんだ*1
[Chorus]
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no senator's son, son
俺は議員の息子なんかじゃない
俺は議員の息子なんかじゃない
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no fortunate one, no
俺はそんな運のいい奴じゃないんだ
俺はそんな運のいい奴じゃないんだ
[Verse 2]
Some folks are born silver spoon in hand
銀のスプーンを手に生まれてきた奴もいる*2
銀のスプーンを手に生まれてきた奴もいる*2
Lord, don't they help themselves, no
そんな奴は自分の面倒くらい見れると思うだろ?
そんな奴は自分の面倒くらい見れると思うだろ?
But when the taxman come' to the door
でも税金取りが戸をたたくときには
でも税金取りが戸をたたくときには
Lord, the house lookin' like a rummage sale, yeah
家はまるでがらくた市みたいな有り様だ*3
[Chorus]
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no millionaire's son, no no
俺は億万長者の息子なんかじゃない
俺は億万長者の息子なんかじゃない
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no fortunate one, no
俺はそんな運のいい奴じゃないんだ
[Guitar Solo]
[Verse 3]
Yeah, some folks inherit star-spangled eyes
星条旗の白い星のような目を受け継ぐ奴もいる
星条旗の白い星のような目を受け継ぐ奴もいる
Ooh, they send you down to war, Lord
そんな奴らが君みたいなのを戦地へ送り出すんだ
そんな奴らが君みたいなのを戦地へ送り出すんだ
And when you ask 'em, "How much should we give?"
そして「いったいどれほど尽くせばいいんだ?」と聞けば
そして「いったいどれほど尽くせばいいんだ?」と聞けば
Ooh, they only answer, "More, more, more, more!"
「もっと、もっと、もっとだ!」としか言わない
[Chorus]
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no military son, son, Lord
俺は軍人の家系の出なんかじゃない
俺は軍人の家系の出なんかじゃない
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no fortunate one, one
そんな運の、そんな運のいい奴じゃないんだ
[Outro]
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no fortunate one, no no no
俺はそんな運のいい奴じゃない
It ain't me, it ain't me
俺は違う、俺は違うんだ
I ain't no fortunate son, no no no
俺はそんな運のいい奴じゃないんだ
It ain’t me…
そんな運のいい奴じゃ...
*1 ここで言う”砲口を向けられる”とは、第一次世界大戦時に使用された、アンクル・サムが指を差し、その下に”米陸軍には、君が必要だ”と書かれた募兵ポスターのように、「国を守るために戦って、国民としての義務を果たす」ように強引に求められることを指すようです。

そんな運のいい奴じゃ...
*1 ここで言う”砲口を向けられる”とは、第一次世界大戦時に使用された、アンクル・サムが指を差し、その下に”米陸軍には、君が必要だ”と書かれた募兵ポスターのように、「国を守るために戦って、国民としての義務を果たす」ように強引に求められることを指すようです。

*2 この言い回しは、"born with a silver spoon in (one's) mouth"(銀のスプーンをくわえて生まれてきた)という慣用句から来ており、「裕福な家に生まれた」というような意味です。
*3 普段はぜいたくな暮らしをしているくせに、税務調査のときには家財道具なとを売り払ったりして税額を誤魔化そうとする、ということです。
他にも”Down on the Corner”や”Cotton Fields”、”Midnight Special”(ともにフォークソングのカバー)などのヒット曲を含むアルバム自体も全米チャート3位を記録しております。CCRは2年半で9つものシングルを全米チャートトップ10に送り出し、1位を記録しなかったバンドとしては最多の5つのチャート2位を記録し、スワンプ・ロックの代表的なバンドとして、そしてレーナード・スキナードなどのサザン・ロックの先駆けとしての地位を確立させました。
*3 普段はぜいたくな暮らしをしているくせに、税務調査のときには家財道具なとを売り払ったりして税額を誤魔化そうとする、ということです。
他にも”Down on the Corner”や”Cotton Fields”、”Midnight Special”(ともにフォークソングのカバー)などのヒット曲を含むアルバム自体も全米チャート3位を記録しております。CCRは2年半で9つものシングルを全米チャートトップ10に送り出し、1位を記録しなかったバンドとしては最多の5つのチャート2位を記録し、スワンプ・ロックの代表的なバンドとして、そしてレーナード・スキナードなどのサザン・ロックの先駆けとしての地位を確立させました。
「ファミリー・ガイ」でも「ベトナムでいちばんつらかったのは、絶え間無く”Fortunate Son”が流れていたことだった」とネタにされる場面があります。
コメント