本日は以前取り上げたバンド「ブラック・サバス」のフロントマン オジー・オズボーンがバンドから解雇されたのちソロ転向した際のファーストアルバム『ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説』(1980)から”クレイジー・トレイン”です。オジーが発掘した若手ギタリストのランディ・ローズが弾く冒頭のギターリフがとても有名で、史上最高のギターリフの一つとしてよく数えられています。シンプルながら重厚感と疾走感を兼ね備えており、唯一無二の存在感を醸し出しています。タッピングから入るギターソロもカッコいいですね。他にもインスト曲の”ディー”やアルバムのもう片方の代表曲”ミスター・クロウリー<死の番人>”でも彼の腕前が光っています。

Randy+Rhoads
ランディ・ローズ。トレードマークの黒地に白い水玉模様のフライングVタイプのギター。

歌詞の内容としては、
国境や信条を超えた友愛や、権力やメディア、社会に対する疑念など、概ねブラック・サバス時代の流れを汲んだようなものになっています。



[Verse 1]
Crazy, but that's how it goes
おかしいよな、でもそういうことなんだ
Millions of people living as foes
何百万もの人々が敵同士として生きてる
Maybe it's not too late
もしかするとまだ手遅れじゃないかもしれない
To learn how to love
互いを愛することを学び
And forget how to hate
互いを憎しむことを忘れるには

[Pre-Chorus]
Mental wounds not healing
心の傷は癒えない
Life's a bitter shame
人生は苦い恥辱だ

[Chorus]
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる
Let's go

[Verse 2]
I've listened to preachers
牧師の説法も聞いたし
I've listened to fools
愚か者の言い分にも耳を傾けた
I've watched all the dropouts
Who make their own rules
自分で勝手にルールを作って
落ちこぼれていった奴も大勢見てきた
One person conditioned to rule and control
ある一個人が統治し支配するようにさせられ
The media sells it, and you live the role
メディアはそれを売りつけて、君はその通りに生きるんだ

[Pre-Chorus]
Mental wounds still screaming
Driving me insane
心の傷の叫び声で
頭がおかしくなりそうだ

[Chorus]
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる

[Bridge]
I know that things are going wrong for me
You gotta listen to my words, yeah, yeah!
俺自身先がそんなに明るくないのは分かってる
でも俺の言葉に耳を傾けて欲しいんだ

[Instrumental Break]

[Guitar Solo]

[Verse 3]
Heirs of a cold war
冷戦の相続人
That's what we've become
それが俺たちの成れの果て
Inheriting troubles, I'm mentally numb
色んな問題も未解決のまま受け継いで
もう何とも感じなくなってきた
Crazy, I just cannot bear
I'm living with something that just isn't fair
狂ってる、もう我慢できないんだ
こんななんともいえない不公平さを感じながら生きるのは

[Pre-Chorus]
Mental wounds not healing
心の傷は癒えない
Who and what's to blame?
いったい誰の、何のせいなんだ?

[Chorus]
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる
I'm going off the rails on a crazy train
俺はこんな暴走列車のレールから外れてやる!

一方でオジー不在の
ブラック・サバスは新たに元「ディープ・パープル」のギタリスト リッチー・ブラックモアと共に「レインボー」で活動していたロニー・ジェイムス・ディオを迎え、『ヘヴン&ヘル』(1980)で起死回生を成し遂げています。

Black_Sabbath_Heaven_and_Hell


タイトル曲”ヘヴン&ヘル”。RJDの力強くコブシの効いた歌声はいつ聴いても迫力がある。歌唱力の面で見るとオジー・オズボーンよりも上手いと言う人もかなりの数いる。メロイックサイン(小指と人差し指を立てる)を広めたのも彼である。2000年代に入っても歌唱力は健在で、精力的に活動していたが、晩年は胃がんを患い、2010年6月、67歳で亡くなっている。



惜しくもランディ・ローズは加入からわずか2年半後、1982年3月19日にフロリダ州でパイロットの飲酒運転が原因の飛行機墜落事故によりわずか25歳で亡くなっています。